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◆令和4年度最低賃金は過去最大の引上げ
8月2日、厚生労働省が公表した令和4年度地域別最低賃金額改定の目安は、同審議会公益委員の見解として示された3.3%を基準とした結果、30~31円という過去最大の引上げとなりました。
◆目安を上回る額の改定を決定するところも
これを踏まえて各都道府県の地方審議会における改正の議論が行われ、8月9日までに、27の都道府県で答申もしくは公示が行われています。
このうち、茨城県、兵庫県、佐賀県、熊本県では、中央最低賃金審議会が答申した額を上回る32円の引上げを決定しています。また、北海道のように目安が30円のところ、31円の引上げを決定したところもあります。
◆中小企業向けの支援策は?
一方、中央最低賃金審議会では、企業物価指数が9%超の水準で推移する中で多くは十分な価格転嫁ができず厳しい状況であること、特に中小企業・小規模事業者の賃金支払能力の点で厳しいものとなったとの受止めはされています。
そのため、答申において、中小企業向けの支援策に関する政府に対する要望も盛り込まれています。
◆業務改善助成金の動向に要注目
具体的には、業務改善助成金について、原材料費等の高騰にも対応したものとするなどより実効性ある支援の拡充、また、最低賃金が相対的に低い地域における重点的な支援の拡充等が挙げられています。
具体的な内容はまだ明らかにされていませんが、昨年度は、最低賃金引上げに対応した業務改善助成金特例コースの受付が、令和4年1月13日に開始されました。
最低賃金額の改定は令和4年10月以降となります。こうした支援策の動向にも注目しておくとよいでしょう。
【厚生労働省「令和4年度地域別最低賃金額改定の目安について」】
◆会計検査院による是正要求
会計検査院は、雇用調整助成金等と休業支援金等(以下、雇調金等)について多額の不適切受給が発生しているとし、厚生労働省に是正要求を行いました。具体的には、令和2、3両年度に支給決定された雇調金等を対象に検査したところ、33労働局計3億1,719万円について重複支給や二重支給、また不正受給が確認されたということです。厚生労働省には次のような処置を要請しています。
〇保有するデータを活用するなどして、不適切な支給がないか事後確認すること、その具体的な方法を策定すること等
〇リスクの所在等に十分に留意して実地調査の対象とする事業主の範囲を設定するよう見直しを行い、リスクの程度を適切に評価することにより付した優先度に基づき実地調査の対象とする事業主を選定すること、その具体的な方法を策定すること
◆厚生労働省は対策強化を明言
これを受け、厚生労働省は対策を強化し、不正受給が疑われる場合は規定に基づく措置を行うとあらためて明言しました。今後は上記の要請に従い、事後確認の強化など、より厳密な調査が行われることが予想されます。これまでも事業者や従業員に対して不正受給への注意を促すリーフレット等が公表されていましたが、今一度これらの内容を確認し、万が一にも指摘を受けることのないよう、注意を払う必要があるでしょう。
【会計検査院「雇用調整助成金等及び休業支援金等の支給に関する事後確認の実施について」】
https://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/4/pdf/040804_zenbun.pdf
【厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」不正受給防止対策を強化します】
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000973413.pdf
【厚生労働省「雇用調整助成金不正受給の対応を厳格化しています」】
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000919896.pdf