令和7年度地域別最低賃金額改定の目安が公表されました
◆全国加重平均は1,118円、上昇額は過去最高
10月の改定に向けて議論されている最低賃金について、令和7年8月4日に開催された第71回中央最低賃金審議会で、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられ、公表されました。
目安通りに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は1,118円で、全国加重平均の上昇額は63円(昨年度は51円)となります。これは昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となり、引上げ率は6.0%(昨年度は5.1%)となります。
◆全都道府県で1,000円超えに
今後は、この目安を参考に、各地方最低賃金審議会で、地域における賃金実態調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議のうえ、答申が行われ、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなります。今年度は、この目安通りに引上げが行われれば、すべての都道府県で最低賃金が1,000円を超えることになります。
◆賃上げへの対応を
政府は、最低賃金を2020年代に全国平均で1,500円にするという目標を掲げており、近年、最低賃金については大幅な引上げが実施されているところです。
企業が賃上げを実施できるような環境づくりのため、生産性向上の支援として、各種の助成金等の拡充や、経営支援の強化が見込まれます。企業においては、このような国の支援策も確認しつつ、今後も続く賃上げの波に向けて、自社における影響やその対策については十分に検討していきたいところです。
【厚生労働省「令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_60788.html
「19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定について」の通達が公表されました
令和7年度税制改正において、特定扶養控除の要件の見直しおよび特定親族特別控除の創設が行われたことを踏まえ、健康保険法の被扶養者の認定対象者が19歳以上23歳未満である場合における取扱いについて、通達が公表されました。
◆認定対象者が19歳以上23歳未満である場合における取扱い
認定対象者の年間収入に係る認定要件のうち、その額を130万円未満とするものについて、当該認定対象者(被保険者の配偶者を除く。)が19歳以上23歳未満である場合にあっては150万円未満として取り扱うこと。
なお、当該認定対象者の年間収入の額に係る認定要件以外の取扱いについては、昭和52年通知と同じとすることとされています。
※昭和52年通知の内容
1.認定対象者」が被保険者と同一世帯に属している場合
(1) 認定対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上または一定の障害者は180万円未満)、かつ、被保険者の年間収入の二分の一未満である場合
(2) (1)の条件に該当しない場合であっても、認定対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上または一定の障害者は180万円未満)、かつ、被保険者の年間収入を上まわっておらず、被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるとき
2.認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合
認定対象者の年間収入が、130万円未満(60歳以上または一定の障害者は180万円未満)、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合
◆船員保険法の被扶養者の認定について
上記に準じて取り扱うものとされています。
◆施行日
令和7年10月1日
大学生が扶養から外れないようにする就業調整をしていることを受け、人手不足解消の観点から、認定にかかる年間収入の要件を緩和したものです。
大学生の子を扶養する被保険者がいる場合は、必ず押さえておきましょう。
【厚生労働省「19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定について」】